このページは破産手続に関する入口のページです

破産手続に関する説明の入口のページになります。取引先が破産してしまった場合はもちろん、破産する場合に備えて一定の知識を持っておくことは大切です。

個別の説明はリンク先をご参照下さい。少々専門的な内容もあります。そのような説明には【専門家向け】と入れてあります。

 破産手続関係

⑴ 破産手続全体の流れ/破産財団の範囲など

破産手続全体に関連する事項について、説明をしています。破産手続全体の流れが基本的なものですが、それ以外に破産財団の範囲などについても、それぞれ以下のリンク先をご参照ください。

⑵ 申立から破手続産開始決定まで

申立から、開始決定までについて説明をしています。

 破産債権の債権届出・債権認否・配当(破産)

破産債権の届出から配当までについて説明をしています。

⑷ 記録の閲覧について

債権者等の利害関係人(参考裁判例:東京地決H24.11.28)は、裁判所で破産記録の閲覧・謄写が可能です(破産法11条)。債権者が、破産手続申立書を閲覧する場合などが考えられます。

東京地決H24.11.28(破産):利害関係人に該当しないとして閲覧謄写が認められなかった事例

裁判例の詳細を見る
破産者甲教団の破産管財人乙とX(甲教団の後継と主張している)は、破産者甲教団に対する破産債権の残額をXが自己の債務として引き受けること、Xは当該債務のうち、9億6000万円を平成17年6月末日までに分割して破産管財人乙に支払うこと、破産管財人乙は、当該金員を含め形成された破産財団を基に甲教団の最後配当を実施し、破産手続を終結する旨合意しました。また、破産管財人乙と甲教団犯罪被害者支援機構は、平成21年3月18日、破産財団がXに対して有する合意に基づく残債権を当該機構に債権譲渡する旨合意し、Xは、甲教団の破産事件終結後も、当該機構と民事調停を行っていました。かかる状況下で、Xが、自己が甲教団の後継団体であるところ、破産管財人乙との間の合意は、重畳的債務引受であり、Xは、破産債権者に対する関係で破産者と連帯債務者の地位にあること、Xは10年以上にわたり破産財団の増殖に寄与し続け、現在も支援機構に対して調停の当事者として対応していることから、Xは、破産事件によって直接的に自己の私法上の権利ないし法律的利益に影響を受けていることは明らかであり利害関係人に該当する旨主張して、破産者甲教団の破産記録の閲覧謄写を請求したところ、裁判所書記官が請求を拒絶する旨の処分したことから、これを不服としてXが異議申立てをしましたが、本決定は以下のように述べて、異議を却下しました。
  「旧破産法には、閲覧及び謄写に関する直接の規定はないが、破産手続は原則として公開の法廷で審理裁判されないことから、破産事件記録は、同法108条が準用する民事訴訟法91条2項にいう『公開を禁止した口頭弁論に係る訴訟記録』に準じて、当事者及び利害関係を疎明した第三者に限り、同項及び同条3項に基づき閲覧及び謄写等が可能であると解すべきである。そして、ここにいう『利害関係を疎明した第三者』とは、破産事件に即していえば、破産手続によって直接的に自己の私法上又は公法上の権利ないし法律的利益に影響を受ける者を意味すると解するのが相当である。これを本件についてみると、一件記録によれば、本件合意は、Xが破産管財人との間で、破産者に対する破産債権の残額をXが自己の債務として引き受けること、Xは、上記債務のうち、9億6000万円を平成17年6月末日までに分割して破産管財人に支払うこと、破産管財人は、前記金員を含め形成された破産財団を基に最後配当を実施し、破産手続を終結する旨合意したものであること、また、破産管財人とA教団犯罪被害者支援機構(以下「機構」という。)は、平成21年3月18日、破産財団がXに対して有する本件合意に基づく残債権を機構に債権譲渡する旨合意したこと、Xは、本件破産事件が同月19日に終結した後も、機構が申し立てた民事調停に相手方として対応してきたことが認められる。
 そうすると、本件合意は、あくまでXが破産管財人に対し破産債権の残額相当額の債務を負担することを合意した債務負担契約(その実質は贈与契約)と解され、Xが破産債権者全員との間の合意により破産者(破産財団)と重畳的に破産債権残額について債務引受をしたものとは解されないから、Xが破産管財人ないし破産財団に対し、債務の履行に伴う求償権など何らかの法律上の権利を有するとは認められない。加えて、本件合意により発生した破産管財人のXに対する債権は、平成21年3月18日に機構に譲渡され、機構とXとの間で民事調停が係属中であるというのであるから、本件合意に基づく法律関係は、既に機構とXとの関係に移転していると認められる。
 以上によれば、Xが本件破産手続によって何らかの事実上の影響を受けることはあり得るとしても、直接的に自己の私法上又は公法上の権利ないし法律的利益に影響を受けるとは認められないから
、Xは、旧破産法108条、民事訴訟法91条2項、3項の『利害関係を疎明した第三者』に該当しないというべきである。 」

閲覧等を希望する者は、利害関係人であることを証する書面を添付したうえで閲覧等の申請を行い、閲覧等をします(東京地裁の場合、記録閲覧室で閲覧等を行います)。
なお、以下の、破産法12条1項に列挙されている事由にいては、閲覧制限が付されている可能性があり、閲覧制限がされている記録については閲覧はできません。

破産法36条、40条、84条、78条2項に基づく許可取得のために裁判所に提出した文書等
破産法157条2項に基づく裁判所への報告文書等

 各種債権

破産手続における各種債権の扱いについては、以下のリンク先をご参照下さい。

 破産債権・財団債権とは

以下のリンク先は、破産債権、財団債権の種類や取扱について、まとめたものです開始時現存額主義別除権付債権の説明も含まれています。

⑵ 破産手続における、労働債権の取扱とは

破産手続における労働債権の扱いは少々複雑です。以下のリンク先は、破産手続きにおける労働債権の取扱をまとめたものです。簡単ですが、立替払制度についても触れています。

⑶ 破産手続における、公租公課の取扱とは

以下のリンク先は、破産手続きにおける公租公課の扱いについて、概要をまとめたものになります。簡単ですが、管財人の税務申告についても触れています。

3 実体法関係

⑴ 破産手続において、破産者が締結していた契約はどのように扱われるか

以下のリンク先において、破産手続において、各種契約がどのように扱われるのかを整理しました。

総論各論に分かれています。
総論では、双方未履行双務契約及び継続的供給契約についての規律を説明しています。
各論は、売買契約、請負契約、賃貸借契約を取り上げて、契約類型毎に、具体的な処理について説明をしています。

 破産手続において担保はどのように扱われるか

以下のリンク先において、破産手続において、担保権がどのように処遇されるのを整理しました。なお、破産法は、担保権を「別除権」と呼びます(破産法2条9号)。

総論各論に分かれています。
総論では、破産手続で担保権が認められる要件、担保権の行使方法、管財人の担保に対する対応について説明しています。
各論は、担保の種類毎に、具体的な処理について説明をしています。

⑶ 破産手続における相殺禁止とその例外とは

破産手続において、破産債権者又は反対債務があった場合、破産者の債務者は反対債権を有していた場合、原則として相殺が可能です。但し、管財人からの相殺は許されません。破産手続における相殺に関する原則については、以下のリンク先をご参照下さい。

破産債権者は原則として相殺が可能としつつ(破産法67条1項)、相殺が禁止される場合を定めています(破産法71条1項)。さらに、相殺禁止の例外を設けています(破産法71条2項)。破産債権者による相殺が禁止される場合及びその例外について詳しく知りい方は以下のリンク先をご参照下さい。

破産者の債務者が、後から債権を取得し相殺を主張する場合についても、相殺が禁止される場合を定めています(破産法72条1項)。さらに、相殺禁止の例外を設けています(破産法72条2項)。破産者の債務者による相殺が禁止される場合及びその例外について詳しく知りたい方は以下のリンク先をご参照下さい。

⑷ 破産手続における否認とは

以下のリンク先において、破産手続における否認制度について整理をしました。

総論では、管財人が否認該当行為に対して取りえる手段や、否認が認められた場合の効果をまとめています。

具体的な否認該当行為については、類型毎に以下のリンク先にまとめていますので、ご参照ください。

⑸ 免責関係

個人破産の免責について、整理をしました。以下のリンク先をご参照ください。